バーチャルオフィスについて

バーチャルオフィスとは?解説とメリット・デメリット

2019年5月16日

あなたは今、バーチャルオフィスを契約するべきかどうか考えてはいませんか?

「そもそもはっきりとバーチャルオフィスがどういうサービスかよくわかっていない」
「バーチャルオフィスのメリットとデメリットを知っておきたい」
「いくつもあるバーチャルオフィスの中から、自分に適したところを選ぶポイントは?」
このような点も、あなたを悩ませているかもしれませんね。
せっかくバーチャルオフィスを契約したとしても、後々「辞めておけばよかった」と後悔することは避けたいものです。

この記事を読んでいただければ、バーチャルオフィスにまつわる様々な疑問を解消できるでしょう。

そもそもバーチャルオフィスとは?

そもそもバーチャルオフィスとはどういったものでしょうか?バーチャルオフィスの基本的な意味は、起業家の方やフリーランスの方に実際にオフィスとしての場所は使用しないが、法人登記や名刺などに記載する住所をレンタルするというサービスです。

バーチャルオフィスは東京を中心とする大都市圏で特に人気を集めるサービスです。

バーチャルオフィスが利用される背景

ビジネスを行うには、基本的にオフィスが必要となります。全く拠点がないと一応ビジネスをしていくことはできるかもしれませんが、相手にとってはとても不信感が出てきます。ですから拠点は必要ですし、さらに言えばよい場所に拠点を置くということは相手に信頼感を与えるのでとてもメリットのあることです。

しかし、考えればすぐにわかるように東京を中心とする立地の良い場所というのは、家賃がとても高いという問題点があります。千代田区、中央区、港区の主要の町でオフィスを借りるとなるととても高い家賃を支払わなくてはなりません。この家賃の高さがコスト体質を悪化させ経営を傾かせてしまう可能性は十分にありますし、そもそもオフィス賃料がネックで起業が遅れたり、最悪の場合は起業自体をあきらめなければならないということにもなりかねません。

その一方で起業環境はどんどん改善してきており、割と簡単に起業ができるようになってきているのは事実です。まずはクラウド環境が整ってきており、オフィスに行かなくては仕事のための資料の閲覧や、データの送受信ができないということがなくなってきています。またオンラインコミュニケーションツールの発達により、遠隔で打ち合わせや会議が簡単にできるようになってきました。

以上のことを考えると、拠点としての住所は必要だけれども、物理的なオフィスの重要性は相対的に低下してきているというのが現状です。

バーチャルオフィスの基本機能

それではバーチャルオフィスの基本機能とはいったいどういったものでしょうか?バーチャルオフィスの基本機能について説明させていただきます。

住所を貸し出す・法人登記ができる

バーチャルオフィスの基本機能は「起業家にとって必要な住所を貸し出す」というものです。特に法人登記の場所を必要としている人に住所を貸し出すというサービスになります。

近年のワークスタイルはクラウドサービスの発達などにより、オフィスに行って働くということが必ずしも必要ではなくなってきました。また、起業のスタイルとして、特にIT業界やコンサルティング業界では自宅で仕事をしたり、クライアント先に行って仕事を行うというスタイルも一般的であります。さらに言えば、シェアリングエコノミーが発展して作業という面ではスペースの確保が容易になってきているという現実があります。

その一方で、起業する際に本店所在地という意味での拠点をどうするかという問題は依然として残っています。問題とは下記のようなものになります。

・マンションなどでは法人登記がルール上行えない。
・プライバシーの観点から自宅を後悔したくない。
・自宅を使っても住所の見栄えがよくない。

こういった問題を解決するために生まれたサービスがバーチャルオフィスなのです。つまりバーチャルオフィスは、

・住所以外の場所に格安で法人登記ができる
・自宅の住所を公開しなくても済む
・見栄えの良い住所を事業拠点にできる

という基本的な機能を持っているのです。

バーチャルオフィスでよく見られる機能

郵便物・宅配便の転送

そのバーチャルオフィスに住所を置くと、当然その住所宛に郵便物が届くことになりますのでほとんどのバーチャルオフィスでは郵便物の受け取りを行ってくれます。受け取ってくれないバーチャルオフィスはレアケースと考えてよいでしょう。

ただし以下のものについてはバーチャルオフィスによって対応が異なってきますので注意が必要です。

・本人限定郵便
・着払いのもの
・食品(生もの)
・大きなもの

特に本人限定郵便の取り扱いは重要で、銀行からのキャッシュカードやクレジットカードなどは本人限定郵便であることがほとんどですので、こちらの受け取りがスムーズにいかない場合はかなり面倒です。本人限定郵便をどのように扱ってくれるかはしっかりと確認したほうがよいでしょう。

 

また転送・受け取りについても事業者によって対応が様々です。実際にサービスを検討する場合はどのような方法で自社宛の郵便物を手に入れるのかを確認する必要があります。

・頻度
・送料
・窓口での受け取り
・オプションサービス

標準で月に何回転送してくれるのか?その場合、いつ発送されるのか?標準の転送回数で足りない時にオプションで回数が増やせるか?郵送代はどうなるのか?実際に窓口に行って郵便物を受け取ることができるのか?といったことを確認したほうがよいでしょう。

電話転送

住所と同様に電話番号も個人のものを表示をするのではなく、ビジネス用の番号が欲しいというニーズに対応するため、電話転送サービスを提供しているバーチャルオフィスは多くなります。提供されている電話転送サービスは基本的に下記の2種類になります。

・電話転送 かかってきた通話が携帯等に直接転送される
・電話秘書代行 オペレーターが対応して、内容を知らせてくれる

電話転送については、電話番号は用意する必要があるのか?初期費用は?転送にかかる料金はいくらなのか?通話料はどうなるのか?電話をかけてきた相手に転送とわかるか?こちらからかける時に相手にどのように電話番号が表示されるのか?という点を気にしたいところです。

その他、FAXも転送サービスを用意しているバーチャルオフィスが多くあります。

会議室

バーチャルオフィスは作業としての仕事場が不要という方のサービスである側面が強いのですが、そういう方でも打ち合わせをする場所は必要というケースは多くあります。そのためバーチャルオフィスでは会議室を併設しているところが多くあります。

その他のバーチャルオフィスのサービス

法人登記代行

バーチャルオフィスは法人登記を目的に利用する方が多いため、その住所で登記をしたいという方のために法人登記の代行を行ってくれるところがあります。一度、登記をするとしばらくは継続してサービスを利用することが多いため、そこから利益を得られるということもあり、設立のための手数料を格安で行ってくれるバーチャルオフィスもあります。

会計サービス

会社の経理を担ってくれるサービス。特に一人で起業する方にとっては時間がとても大切になりますので、お金を生み出すものではない会計周りの業務を請け負ってくれるのは、とてもありがたいサービスです。多くのケースではそのバーチャルオフィスと連携する税理士がおり、その税理士と顧問契約を結ぶ形となります。このサービスを利用する起業家が大きくなってくれれば顧問料も増えるであろうということを担当する税理士は見越しているので、最初の金額はリーズナブルに設定してあることが多いです。

融資・補助金・助成金サポート

こちらもそのバーチャルオフィスと連携する税理士・社会保険労務士・中小企業診断士が対応してくれることが多いサービスです。バーチャルオフィスを利用していることをどのように表現するかで、手続きがうまくいくかいかないかを左右することがありますので、連携する士業の方に申請を任せることが望ましいといえます。

WEB制作サポート

起業時に、名刺感覚でまず差しあたってWEBを用意したいという方のために提供されているケースが多くあります。

メンター制度

バーチャルオフィスよりは、ふだんオフィスに訪れる人が多いコワーキングスペースなどでよく見られる制度です。投資先の企業にコワーキングスペースを利用させて、メンタリングしながら成長を促進させるという形で行っていることが多いです。

バーチャルオフィスのメリット

バーチャルオフィスは起業される方にとってとても多くのメリットがあります。それらの中でも特に大きなメリットとなるものを紹介したいと思います。

自宅以外での法人登記場所を格安で得られる

基本機能で説明したように、マンションなどで自宅に登記することができない方、プライバシーを確保するために自宅住所を後悔したくない方、自宅に登記はできるがビジネスの住所としてあまり見栄えが良くない方にとってバーチャルオフィスは登記する場所を格安で提供できるというところが大きなメリットです。もしバーチャルオフィスがなければ自分でオフィスを借りる必要があるためとても大きなコストがかかります。

起業時のコストが削減できる

自分でオフィスを借りようとするととても大きなコストがかかります。例えば事務所を借りるためには保証金が必要になりますが、賃料の6ヶ月分~12ヶ月分が必要になります。さらに内装を整えたり備品を購入したりするとビジネスを始めるためだけに何百万という資金が必要になります。これでは立ち上げるだけでも一苦労です。この資金を売上アップのために使うだけで成功の確率は全く違ってきます。

都心一等地の住所でビジネスができる

事業を真剣に行っていこうとする場合、その住所もしっかりと考えなければなりません。あまり見栄えが良くない住所ですと、相手に不安を与えたりしますので注意が必要です。また地方の住所の場合、他の地方からの売上が上げにくいということもあります。

そういった点でバーチャルオフィスの多くは比較的見栄えの良い住所を提供しています。例えば千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区などです。これらの住所で自分でオフィスを構えるとなるとオフィス賃料はとても高くなってしまいますが、バーチャルオフィスの利用料でしたら支払うことが可能になります。つまりバーチャルオフィスを利用することによって手が届かなかった住所を利用することができるようになるのです。

バーチャルオフィスのデメリット

許認可が取れない

業種によっては開業の際に許認可が必要になるケースがあります。例えば税理士、有料職業紹介業、宅地建物取引業などは開業のために許認可が必要であり、許可なく開業することはできません。そしてこれらの業種の許認可については他の人が入ることができない自分専用のオフィスを持つことが定められています。バーチャルオフィスは物理的なオフィスを持っていないことになりますので、こういった業種のための許認可は取得できないということになります。

バーチャルオフィスで許認可が取れない業種の一例
・職業紹介/人材派遣業
・税理士/弁護士/司法書士
・古物商
・不動産業
・建設業
・金融商品取引業

バーチャルオフィスに対するよくある誤解

銀行の法人口座が開設できない

バーチャルオフィスを利用すると銀行の法人口座が作れないという情報がネット上でよく見られます。これは実際のところどうなのでしょうか?

実際のところバーチャルオフィスでも銀行の法人口座は開くことができるようです。
バーチャルオフィスでも銀行の法人口座は開設可能?銀行の法人口座開設対策

ただしどの銀行でも開設できるというわけではなく、最初からバーチャルオフィスを利用しての口座開設はできないという銀行もありますので注意が必要です。またバーチャルオフィスによっては不正利用が多発したということで、そのバーチャルオフィスの住所では口座開設のハードルが上がるということがありそうです。よってそういうバーチャルオフィスは選択しないように気を付けた方がよいでしょう。

社会保険に入れない

バーチャルオフィスを利用した企業は社会保険に入れないという情報もネット上でよく見られますが、こちらも誤解のようでむしろバーチャルオフィスを利用していたとしても加入をしてくださいと積極的に日本年金機構からアプローチがあるようです。

バーチャルオフィスを比較検討する際の注意点

ではバーチャルオフィスを選ぶときに気をつけなければいけないポイントを説明したいと思います。

料金の差はそれほど重要ではない

バーチャルオフィスの料金はどこも月額数千円程度です。どんなに高くても10万円を超えるということはほぼ考えられません。仮にバーチャルオフィスA社が月額5,000円、バーチャルオフィスB社が月額6,000円だった場合、20営業日で換算するとバーチャルオフィスA社は250円/日、バーチャルオフィスB社は300円/日です。1日あたり50円しか違いません。この違いは売上が上がれば上がるほど、重要度が下がっていきますので、料金の差で選ぶというのはほとんど意味がありません。それよりも必要なサービスが揃っているのか?という点に目を向けなくてはいけません。

銀行法人口座開設の可能性

バーチャルオフィスを利用するときによく話題に上がるのが、銀行の法人口座開設ができないというものです。バーチャルオフィスについての誤解のところで説明しましたが、バーチャルオフィスだから法人口座が開設できないというわけではありません。しかし、中にはハードルが高くなっているバーチャルオフィスがあるようです。過去に不正なことを行った会社が多く入居していたバーチャルオフィスですと法人口座が開設できないということが多い傾向にあります。よって見学やサービス内容の説明を受ける場合は「過去に法人口座が開設できなくて退会された方はいますか?」という質問をするとよいかと思います。

郵便物の受け取り

サービス内容をよく確認せずに契約して困ったということが起こりがちなのが、郵便物に関するサービスです。これはよく確認した方がよいでしょう。
・書留などのサインを必要とする郵便物は受け取ってもらえるのか?
・本人限定郵便は受け取ってもらえるのか?
・宅配便は受け取ってもらえるのか?
・自宅に転送してくれるのか?それはどれくらいの頻度か?
・自宅に転送する際の送料はいくらかかるのか?
・到着した郵便物について確認ができるか?
・郵便物は受け取りにいってもよいのか?

自分に最適なバーチャルオフィスを選ぼう

バーチャルオフィスが提供するサービスはその事業者間で様々です。自分が行うビジネス、仕事の仕方や住んでいる環境に応じて最適なバーチャルオフィスは異なってきますので、間違いのないバーチャルオフィスを選んでいただければ幸いです。

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バーチャルオフィス大辞典編集部

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