バーチャルオフィスの電話転送・秘書代行について~03番号や電話秘書を解説~

作業スペースなど物理的な空間は必要としないが、ビジネスに利用する住所は必要といったニーズを満たしてくれるのがバーチャルオフィスですが、利用者専用の電話番号の提供も行ってくれる場合があります。携帯電話が主流の現代においても、東京03番号などの固定電話番号の信頼度は高く、法人口座の開設時に固定電話番号を必須とする銀行などもあります。実際に固定電話を用意する選択肢もありますが、業種によってはあまり得策ではない場合も多いかと思います。また、一人で起業・開業する場合には電話対応に時間を割くことが難しい場合もあります。そのようなケースではオペレーターが電話対応をしてくれる電話秘書代行のサービスもあり、こちらを提供しているバーチャルオフィスも存在します。今回は東京などの大都市圏で人気の高まっているバーチャルオフィス等が提供する電話転送サービス、電話秘書代行サービスについて徹底的に解説していきたいと思います。

目次

バーチャルオフィスの基本機能

バーチャルオフィスの基本機能・サービスは【ビジネス上の住所を提供】するというものです。個人であれ、法人であれ、事業を行う上では住所が必要となります。当然ながら、自宅の住所を利用して事業を行うこともできなくはありませんが、法人登記の有無やプライバシーの観点から様々な問題があります。これらを解消してくれるのが【ビジネス上の住所を提供】してくれるバーチャルオフィスであり、個人的には【基本料金の範囲内で法人登記ができるバーチャルオフィス】をおすすめします。なお、バーチャルオフィスの運営元が固定電話番号を取得しているケースもありますが、利用者がこの番号を名刺やHPに掲載することはほとんどすべてのオフィスで禁止されています。つまり、住所は利用できても電話番号は利用できないということになりますので、固定電話番号が必要な場合は【電話転送サービスを提供しているバーチャルオフィスを選ぶこと】も重要となってきます。

バーチャルオフィスの三大付随サービス

バーチャルオフィスの基本機能・サービスは【ビジネス上の住所を提供】することですが、これに付随する形で【郵便物転送】、【電話転送】、【貸会議室】の大きく3つのサービスが提供される場合があります。今回はその中でも需要が高い【電話転送サービス】を徹底的に解説します。さて、バーチャルオフィスが提供する電話転送サービスは大きく2つに分類することができます。1つ目は利用者に東京03番号を提供してその番号に掛かってきた電話を携帯電話などに転送する【電話転送サービス】、2つ目は専用のオペレーターが掛かってきた電話に応対してくれる【電話秘書代行サービス】です。今回はそれぞれのサービスを詳しく解説し、それぞれのメリットやどのような方におすすめかを明確にしていきます。

電話転送サービス

【電話転送サービス】では、固定電話を契約せずに東京03などの番号を取得できます。携帯電話が普及している現代においても、東京03などの固定電話の番号はビジネス上の信頼度が高くなっております。そのため、下記のようなケースでは東京03などの番号取得をおすすめします。

【ケース①海外企業との取引を検討している場合】

取引先の国にもよりますが、個人の電話番号に連絡するという商習慣がない場合もあります。その場合、相手先が大手の組織になればなるほど、そのような習慣は根付いているため、固定電話の番号を取得していないことはビジネス上不利に働くでしょう。

【ケース②大企業や公官庁などとの取引を検討している場合】

日本国内であっても、大企業や公官庁などと取引する場合は、信頼度といった観点から固定電話の番号を持っていることをおすすめします。携帯電話が普及していても、東京03番号などの固定電話番号の信頼度は高く、こちらの番号を取得しているか否かで与える印象は大きく変わることもあり得るでしょう。

【ケース③銀行などの金融機関に融資をお願いする場合】

すべての金融機関で必須というわけではありませんが、口座開設にあたって固定電話の記載欄があるケースもあり、固定電話番号がないと法人口座を開設できない場合もあるようです。事前に金融機関の情報を調べることは大切ですが、東京03番号を持っていることは一つの安心材料になるのではないでしょうか。

さて、電話転送サービスでは【東京03番号を取得し、自らの番号として名刺やHPに記載できる点が大きなメリット】ですが、発信時の対応で2つのサービスに分類されます。

①電話転送(受信)

電話転送(受信)とは、【03番号などの個別の電話番号を取得する】【発信時には自分の携帯電話の番号などが表示される】というサービスになります。こちらは、ビジネス上の信頼度の観点などから03番号を取得したいが頻繁に電話に出ることが可能なので折り返すことがあまりない折り返す際に自分の携帯電話の番号などを表示することに抵抗はないといった方におすすめのサービスになります。電話転送(受発信)に比べて安い料金で利用できるため一定のニーズがあります。ただし、一般的に電話転送といった場合にはこの後説明する電話転送(受発信)のことを指す場合が多く、受信のみで利用できない場合もありますので、事前に契約を検討するオフィスに問い合わせることをおすすめします。

②電話転送(受発信)

電話転送(受発信)とは、【03番号などの個別の電話番号を取得する】【発信時に取得した03番号などが表示される】というサービスになります。こちらは、ビジネス上の信頼度の観点などから03番号を取得したいプライバシーの観点から自分の携帯電話の番号などを公開したくないといった方におすすめのサービスとなります。携帯電話が普及した現代においても、03番号など固定電話の番号はビジネスにおいて信頼度が高く、ビジネス用の携帯電話を別途所有するよりも安かったり、私用の携帯に転送されるために使い勝手が良かったりといったメリットがあります。基本的に転送先を1件指定することになりますが、03番号を表示させることができる発信元は何件か設定することができる場合が多いので、離れた拠点から複数名仕事をする場合でも発信時に取得した03番号を表示させることもできます。

電話転送サービスで発生する通話料

電話転送サービスは下記の仕組みで電話が転送されますので、②の部分の費用が発生します。折り返しで電話を発信する場合だけではなく、転送元から転送先へ電話が転送される際にも料金が発生することになります。そのため、オフィスによっては電話転送サービスのオプション料金だけではなく、②の部分の費用と相殺するためにデポジット(保証金)が発生する場合もあります。なお、②の費用が発生せずにオプション料金だけで利用できるオフィスもありますので、個人的には②の費用が別途発生しないオフィスをおすすめします。

電話転送サービスのしくみ

 

電話転送サービスに関する用語解説

「バーチャルオフィス 電話転送」と調べていると聞きなれない用語が出てきてお悩みの方もいらっしゃるかと思います。そのため、こちらに用語解説のコーナーを作りましたので、参考にしてもらえればと思います。

ボイスワープ

NTT東日本・NTT西日本の固定電話・ひかり電話に対する転送電話サービスの商標のこと。かかってきた電話をあらかじめ設定しておいた電話番号に転送するサービス。簡単な操作で、転送元の電話を呼び出さずに即座に転送する無条件転送と、転送元の電話を呼び出して応答がないときにだけ転送する無応答時転送の設定が可能。バーチャルオフィスが提供する電話転送サービスも一般的には同様のサービスであり、「逆転送」という呼称もほとんど同義になります。

ナンバーポータビリティ

NTTなどで使っている固定電話番号や090の携帯電話の番号を別の通信会社に移行する際にも同じ番号で使い続けることができるサービスのこと。電話番号が元々どこの通信会社によるかということもあるが、バーチャルオフィスの電話転送サービスでも可能なケースもある。ただし、工事費などは発生する場合があるので事前に確認することをおすすめします。

ナンバーディスプレイ

かかってきた相手の電話番号が、電話に出る前に電話機等のディスプレイに表示されるサービスのこと。電話転送サービスを利用する場合、以下の2つの表示方法が選択できる場合があります。

フロムナンバータイプ(発信者番号の表示)

かけてきている相手の電話番号を表示することができます。電話をかけて来られている方が「誰か」を認識できますので、電話に出ることが出来なくても折り返しでの対応が可能です。ただし、プライベート用の携帯電話などに転送する際、ビジネス上の電話であるかどうかを判別することは難しくなります。

マイナンバータイプ(転送者番号の表示)

自分が取得した03番号を表示することができます。プライベート用の携帯電話などに転送する際、自らの取得した03番号が表示されることでビジネス上の電話であることが認識できます。ただし、その場で電話に出られなければ、留守電等に電話番号を残してくれなければ折り返すことはできません。また、「誰か」を認識することはできない点もデメリットとなります。

電話秘書代行サービス

電話秘書代行とは【オペレーターが電話応対をしてくれる】サービスになります。オペレーターが指定の番号にかかってきた電話に応対し、聞き取った用件をメールなどで知らせてくれます。ただし、契約者ごとに専用のオペレーターがいて契約者のスケジュールを詳しく把握して対応してくれるまさしく秘書代行のようなケースから、予め決まっている文言で応対して用件を聞き取り転送するだけというケースまで、提供元によってサービスの質が大きく異なります。事前にどのようなことまで対応してくれるかを確認しておくとよいでしょう。また、電話秘書代行サービスには転送切替付きというタイプも存在し、自分が電話に出られる時間帯は秘書代行から電話転送に切り替えられるサービスもあります。一般的には秘書代行サービスよりも価格は高くなりますが、時間帯によって対応を分けた場合にはおすすめのサービスとなります。

①電話秘書代行サービス(転送切替なし)

電話秘書代行サービス(転送切替なし)とは、【オペレーターが03番号に掛かってきた電話に対応してくれる】【秘書代行の営業時間終了後は自動的に留守電設定となる】サービスとなります。一般的には基本料金で対応してくれるコール数に上限があり、超過した場合に1件単位で追加費用が発生します。営業や勧誘の電話などについてはコール数にカウントされないことがほとんどですが、その判断については利用するサービスによって対応が異なりますので、事前に確認すると良いでしょう。電話対応の報告はメールに転送されるケースがほとんどであり、細かいニュアンスに関して電話にて秘書に問い合わせることができるサービスもあります。ざっくりとした要件が把握できれば良いのか、相談内容などの詳細を把握したいのかという点で選ぶサービスが変わってくるでしょう。なお、秘書代行の運営元の営業時間終了後は留守電対応となりますが、全社定型のメッセージになるか、個別の要望に応じてメッセージを変更してもらえるかも運営元によって異なりますので、気になる方は事前に確認すると良いでしょう。

②電話秘書代行サービス(転送切替付き)

電話秘書代行サービス(転送切替付き)とは、【オペレーターが03番号に掛かってきた電話に対応してくれる】【秘書代行の営業時間終了後や自分が電話に出られる時間帯などは電話転送サービスに切り替えられる】サービスとなります。転送切替なしのサービスに比べてより融通が利くのが特徴ですので、自分の手の空き具合に応じて電話応対を行ってほしいという方におすすめのサービスとなります。ただし、基本的には転送切替なしよりも割高となる場合がほとんどですので、電話に出ることができる頻度が高いのであれば、通常の電話転送サービスを利用するのもありかと思います。

インターネットFAXサービス

電話とは少し離れますが、【FAXの送受信をメールで行うことができる】インターネットFAXというサービスもあります。近年はペーパレス化が進んでおり、FAXでのやり取り自体が減ってきているとは思いますが、業種によってはFAXでのやり取りが必要な方もいらっしゃるかと思います。その場合、インターネットFAXのサービスを利用すれば、外出先から確認や対応ができ、また紙の保管も不要となるため、通常のFAXでのやり取りよりもコストや手間を省くことが可能となります。

まとめ

バーチャルオフィスの基本機能・サービスは【ビジネス上の住所を提供】するというものであり、東京03番号のなどの固定電話番号を取得し、自分の携帯電話等に転送できる【電話転送サービス】、オペレーターが電話応対をしてくれる【電話秘書代行サービス】、メールにてFAXの送受信ができる【インターネットFAXサービス】などをオプションとして提供しているオフィスもあります。ビジネス上の信頼度を高めるためには東京03番号の取得はおすすめであり、ビジネス機会を逃さないためには常時電話に出られる態勢を整えておくことも重要になります。ぜひ、バーチャルオフィス選びの際にご検討いただければと思います。

[originalsc]

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