作業スペースなど物理的な空間は必要としないが、ビジネスに利用する住所は必要といったニーズを満たしてくれるのがバーチャルオフィスですが、オフィスに届いた郵便物・宅配便の取り扱いについて不安をお持ちの方も多いようです。そもそも、郵便物を受け取ってくれるのか、自分が受け取りたいときに郵便物を受け取ることができるのか、宅配便など大きな荷物が届いた際に連絡はしてくれるのかなど、数えだしたらキリがないほど不安が募っている方もいるようです。今回は東京などの大都市圏で人気の高まっているバーチャルオフィスが提供する郵便物・宅配便のサービスについて徹底的に解説していきたいと思います。
目次
バーチャルオフィスの基本機能
バーチャルオフィスの基本機能・サービスは【ビジネス上の住所を提供】するというものです。個人であれ、法人であれ、事業を行う上では住所が必要となります。当然ながら、自宅の住所を利用して事業を行うこともできなくはありませんが、法人登記の有無やプライバシーの観点から様々な問題があります。これらを解消してくれるのが【ビジネス上の住所を提供】してくれるバーチャルオフィスであり、個人的には【基本料金の範囲内で法人登記ができるバーチャルオフィス】をおすすめします。なお、住所を利用することができるようになっても、郵便物・宅配便の取り扱いについては様々となっています。受取や転送に手数料が発生するオフィスもあれば、転送費用の実費も負担してくれるオフィスもあります。ビジネス上の住所として利用する以上は、【受取や転送のコストを抑えてくれるオフィスを選ぶこと】も重要となってきます。
バーチャルオフィスの三大付随サービス
バーチャルオフィスの基本機能・サービスは【ビジネス上の住所を提供】することですが、これに付随する形で【郵便物・宅配便の受取・転送】、【電話転送】、【貸会議室】の大きく3つのサービスが提供される場合があります。今回はその中でも標準のサービスに含まれることが多い【郵便物・宅配便サービス】を徹底的に解説していきます。さて、郵便物・宅配便の取り扱いについては、オフィスによって対応が様々です。あるオフィスでは基本料金に転送サービスが含まれている、あるオフィスでは受け取れる郵便物が極端に少ないなど、サービス内容に大きな差がある部分でもあります。特に郵便物転送は処理に手間がかかるため、利用料金の安さだけに着目してオフィス選びを行うと、郵便物がしっかりと転送されてこないといったトラブルが発生することもありますので、ご注意いただければと思います。
郵便物・宅配便サービス
【郵便物・宅配便サービス】は、契約を検討するオフィスが受け取れる郵便物・宅配便を踏まえたうえで、【到着確認】、【転送頻度】、【来館受取】、【料金体系】で比較することが重要になります。まず、バーチャルオフィスではどのような郵便物・宅配便を受け取ってもらえるのか、または受取ができないのかという点を整理していきたいと思います。
バーチャルオフィスが受け取れる郵便物・宅配便とは?
バーチャルオフィスで受け取ることができる郵便物・宅配便はどのようなものでしょうか。今回はいくつかのオフィスを調べて「受け取ることができない」とされていた郵便物・宅配便について整理していきたいと思います。
バーチャルオフィスで受け取ることが難しい郵便物・宅配便一覧
・特別送達(裁判所から発行される法的効力のある文書):郵便局のルール上、本人以外は受け取ることができない
・現金書留:防犯上の観点からほとんどのオフィスで受取ができない
・本人限定受取郵便:その名の通り
・着払い・代金引換:事前にデポジットを預かり対応可能なオフィスもある
・大きなサイズのお荷物:対応サイズはオフィスによる
・クール便(生もの):保管場所がないため預からないケースが多いようである
・食品:トラブル防止の観点から預からないオフィスが多いようである
受け取ることができない郵便物・宅配便の対応について
受け取ることができない郵便物・宅配便が届いた際、オフィスによっては【不在票を預かり、連絡をもらえる場合】があります。一般的にはメール等に不在票の画像が送られてきて、それを見て利用者が自分で対応するようです。なお、不在票対応をしてもらうためにはなるべく有人営業のオフィスと契約することをおすすめします。無人営業で不在票対応をしてくれるオフィスもあるかと思いますが、場合によっては数日間ポストに不在票が投函されたままということもあり得ますので、最低限平日は営業している有人営業のオフィスを選ぶと良いでしょう。
①到着確認
郵便物・宅配便の到着確認は【電話で確認できること】が重要です。オフィスによっては到着した郵便物の画像がスキャンされ、メールに自動転送されることが基本サービスに含まれていたり、オプションサービスとして利用できたりするようですが、意外に見落としてしまうものです。外出のついでにオフィスによることができる場合などは、事前にどのような郵便物が届いているかをサクッと確認したいところです。そのためには、電話で郵便物を確認できるオフィスを選ぶと良いでしょう。
②転送頻度
転送頻度については【基本料金の範囲内で月1回以上転送してくれること】、【依頼時に郵便物を転送してくれるオプションサービスがあること】が重要です。転送頻度は高いほうが良いとお考えの方も多いかと思いますが、個人的には必要なものを必要な時に転送してくれることのほうが重要だと考えています。ビジネスを始めればたくさんの郵便物が登録している住所に届くことになりますが、今すぐ手元に取り寄せたいと思う郵便物はさほど多くはないというのが個人的な印象です。週1回の転送日を待たなくてはならないケースと、基本は月1回だが依頼時には転送してくれるケースとどちらがありがたいかという点を考えると、転送頻度の高さよりも依頼時に転送してくれるほうが顧客目線に立ったサービスということができるのではないでしょうか。新型コロナウイルスの感染拡大では緊急事態宣言が発出され、外出自粛を要請されることになりました。今後第2波、第3波が来ることを想定すると、バーチャルオフィスに届いた郵便物が最低でも月に1回程度は転送されてくることは必要かと思います。また、「必要な時に必要な郵便物を送ってほしい」といった利用者のニーズをくみ取り、メールや電話での依頼時に届いている郵便物を転送してくれるオプションサービスを用意しているバーチャルオフィスもあります。これらの点を踏まえて、バーチャルオフィスを選ぶことをおすすめします。
③来館受取
来館受取については【オフィスが有人営業であること】、【届いた郵便物の処理をオフィス内で行っていること】が重要です。オフィスによっては無人営業で住所のある場所に誰もいないというバーチャルオフィスも存在しますが、急な来客対応といった観点からもおすすめできません。有人営業のオフィスであれば、郵便物や宅配便を配達員からしっかりと対面で受け取ることになるかと思います。これだけでも郵便物の紛失などのリスクが大きく低減されることになるのではないでしょうか。また、急ぎで受け取りたい郵便物を受け取るためには、郵便物の仕分けや転送といった処理が住所のある場所で行われているバーチャルオフィスを選ぶことも大切です。多店舗展開のオフィスなどでは郵便物は1度別の作業場所に集積し、その後に各オフィスに届けるというフローを取っている場合もあります。このような場合は即日で届いた郵便物を受け取ることができなかったり、自分が契約しているオフィスではない場所まで出向かなければならなかったりしますので、届いた郵便物の処理を住所のある場所で行っているオフィスを選ぶことをおすすめします。
④料金体系
料金体系については【郵便物受取に費用が発生しないこと】、【郵便物転送に費用が発生しないこと】が重要です。オフィスによっては郵便物をオフィスが受け取る際に手数料が発生したり、転送する際に手数料や転送に掛かる実費が発生する場合がありますが、こちらはおすすめできません。そもそも郵便物・宅配便のサービスはオフィスにとってのコストは大きなものになります。入居する利用者が多ければ多いほど、受取後の仕分けの手間が発生し、人件費も発生する業務になります。そのため、オフィス側の視点にたてば郵便物・宅配便の受取や転送にあたって費用を請求したくなる気持ちはわからなくはありません。しかし、個人的にはこのやり方は少しアンフェアな気がしており、基本料金の価格を引き上げて対応すべきだと思います。利用者側の視点にたてばオフィスは固定費ですので、郵便物・宅配便の受取や転送の際にいちいち諸経費が発生するのは納得いかないのではないでしょうか。基本料金の価格を安くすることで全体に掛かる費用を安く見せようとするオフィスは個人的にはおすすめできませんので、郵便物・宅配便に関する料金体系が明瞭なバーチャルオフィスを選ぶことをおすすめします。
まとめ
バーチャルオフィスの基本機能・サービスは【ビジネス上の住所を提供】するというものであり、住所に届いた郵便物・宅配便の受取や転送もサービスに含まれます。オフィスが受け取ることができる・できない郵便物・宅配便は大きく差がないとは思いますが、到着確認、転送頻度、来館受取、料金体系といった観点からしっかりオフィスを比較することが大切になってきます。ぜひ、バーチャルオフィス選びの際にご検討いただければと思います。
[originalsc]