目次
第1章 なぜ「バーチャルオフィスは融資に不利」と言われるのか?
インターネット上では、「バーチャルオフィスで登記すると融資が通りにくい」という声をよく目にします。
しかし、これは半ば誤解に基づくものです。
その背景には、“実体のない会社を警戒する”という旧来の金融慣行があります。
過去には、実際に存在しない会社がバーチャルオフィス住所を悪用して融資を申し込むといった事例もありました。そのため一部の金融機関では、形式的に「バーチャルオフィスはリスクがある」と判断されてきた経緯があります。
また、銀行などでは「店舗や設備などの固定資産がない=事業基盤が弱い」とみなされる傾向も残っています。とくに開業間もない事業者の場合、「実体の有無」を確認することが融資担当者の最初の関心事となるため、住所がバーチャルオフィスだと一瞬“構えていない”印象を持たれやすいのです。
しかし、近年の創業支援の現場では、事業形態が多様化し、住所の形式よりも事業の中身や計画性を重視する傾向が強まっています。日本政策金融公庫もその代表例です。
第2章 日本政策金融公庫の審査は「住所」より「事業内容」を重視している
日本政策金融公庫(以下、公庫)は、創業初期の個人や小規模事業者を支援することを目的とした政府系金融機関です。
そのため、銀行のように担保や保証人を重視するのではなく、事業の将来性や実現可能性を中心に審査を行います。
公庫が重視する主な審査ポイントは次の3点です。
事業の具体性
提供する商品やサービスが明確で、顧客ニーズや競合との差別化が説明できるか。創業者の経験・スキル・準備度
過去の職務経験や資格、取引先候補など、創業者本人に事業を運営する力があるか。資金使途と返済計画の妥当性
資金を何に使い、どのように利益を出し、返済していくかが論理的に説明できるか。
これらはすべて、「登記住所がどこか」とは直接関係がありません。
実際、公庫の担当者は「住所は形式上の要件であり、事業の実体を重視する」と公言しています。
つまり、バーチャルオフィスを利用していても、その選択に合理性があり、事業の実在性を示せれば問題ありません。
公庫における「実体確認」は、面談時のヒアリングや提出資料を通じて行われます。
そのため、「自宅」「シェアオフィス」「コワーキングスペース」などと同様、バーチャルオフィスも選択肢のひとつとして認められるのが現状です。
第3章 バーチャルオフィス利用者が創業融資を通すための実践ポイント
では、実際にバーチャルオフィスを利用しながら創業融資を申請する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
以下の5つのポイントを押さえることで、審査通過の可能性を大きく高められます。
事業の実体を説明できる資料を用意する
開業前であっても、すでに取引予定先や見積書、商品サンプル、提携契約などがあれば積極的に提出しましょう。「活動拠点」が明確であることを示す
たとえば定期的に利用しているレンタルスペースや作業場があれば、その利用実態を説明すると信頼度が増します。「なぜバーチャルオフィスを選んだか」を明記する
「コスト削減」「都心住所の信頼性」「リモート中心の業態」など、合理的な理由を説明できると印象が良くなります。経歴やスキルを具体的に示す
創業者自身の職務経験・資格・実績を丁寧に記述し、「この人なら事業を継続できる」と納得してもらうことが重要です。面談では誠実で一貫した説明を行う
担当者は、言葉の内容よりも「一貫性」や「誠実さ」を重視します。バーチャルオフィスを選んだ経緯を堂々と説明しましょう。
これらの準備を整えることで、公庫担当者に「この事業はきちんと動いている」という安心感を与えることができます。
第4章 自治体支援や信用保証協会を併用すればさらに有利に
バーチャルオフィス利用者が創業融資を成功させるためには、公庫以外の制度を組み合わせることも効果的です。
地方自治体には「創業支援融資制度」や「利子補給制度」など、地域の起業家を応援するプログラムがあります。これらを利用すると、実質的な金利負担を減らしたり、信用保証協会の保証付きで融資を受けやすくしたりすることが可能です。
また、信用保証協会付き融資を併用することで、金融機関がリスクを取りやすくなり、「住所=リスク要因」という先入観を緩和できます。
もし近くに自治体公認の「創業支援センター」や「インキュベーション施設」があれば、登録して活動実績を作るのも有効です。
「地域の創業支援を受けている=事業の実在性が確認されている」という印象を与えることができます。
まとめ
バーチャルオフィスだからといって、創業融資を受けられないということはありません。
日本政策金融公庫や自治体の支援制度は、**「登記住所」ではなく「事業の実現性」や「創業者の熱意・準備度」**を重視しています。
大切なのは、
事業の具体性を示すこと、
住所選択に合理性を持たせること、
誠実で一貫した姿勢を貫くこと。
この3点を押さえれば、バーチャルオフィスでも創業融資は十分に可能です。
柔軟な働き方が広がる今、“住所より信頼”の時代がすでに始まっています。
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