バーチャルオフィスを利用して会社登記を行う方法は、近年多くの企業や個人事業主から注目されています。特に、オフィス賃料を抑えつつ、都心の一等地に住所を構えることができるという点で、コスト削減やビジネスイメージ向上に役立ちます。しかし、バーチャルオフィスでの登記にはメリットだけでなく、慎重に検討すべきデメリットも存在します。
バーチャルオフィスでの登記はビジネスのスタートをスムーズにしてくれる一方で、使い方や業種によっては、さまざまな制約やリスクが発生する可能性があります。本記事では、バーチャルオフィスを使った会社登記のデメリットについて詳しく解説し、利用を検討する際の注意点を紹介します。
目次
バーチャルオフィスで登記する際のデメリット
信頼性への懸念
バーチャルオフィスを登記住所として利用する場合、取引先や顧客から「本当に実在する会社なのか?」と疑念を持たれることがあります。特に、金融業や不動産業などの業界では、バーチャルオフィスの住所を持つ企業に対して信頼性の問題が浮上するケースが少なくありません。
多くの企業が取引先の信用調査を行う際、会社の住所をチェックすることがあります。その際に、バーチャルオフィスの住所であることが判明すると、「実態が見えにくい企業」として警戒される可能性があります。こうした信頼性の懸念は、新規取引の成立や顧客の獲得においてマイナスに働く可能性があるため、登記住所をバーチャルオフィスにする際には、この点を十分に考慮する必要があります。
一部業種での利用制限
バーチャルオフィスは、すべての業種で登記に利用できるわけではありません。特定の業種、特に金融業や不動産業、士業(弁護士、税理士など)においては、法規制や自治体の条例により、バーチャルオフィスを登記住所として利用できない場合があります。これらの業種では、実際に業務を行う物理的なオフィスの存在が求められることが多く、バーチャルオフィスでは要件を満たさないことがあるのです。
また、法人登記を申請する際、法務局によっては、登記に使用される住所がバーチャルオフィスである場合、申請が却下されるケースも報告されています。このため、業種や事業内容に応じてバーチャルオフィスを利用して登記が可能かどうか、事前に確認しておくことが必要です。
郵便物の管理に関する制約
バーチャルオフィスを利用する際に直面する課題の一つが、郵便物の管理です。バーチャルオフィスでは、郵便物はオフィス側で受け取り、指定の住所に転送するサービスが一般的です。しかし、格安プランの場合、転送頻度や郵便物のサイズ・重量に制限があることが多く、すべての郵便物を確実に受け取れるとは限りません。
例えば、転送サービスの頻度が週に1回のみの場合、緊急の書類が送られてきても、すぐに確認できない可能性があります。また、郵便物のスキャンサービスを利用してデジタルで受け取れる場合もありますが、機密性の高い書類を電子化することに不安を感じる場合もあるでしょう。
さらに、郵便物の保管期間やサイズの制約によっては、一定期間を過ぎると自動的に返送されてしまう場合もあります。こうした郵便物管理の問題は、特に書類や契約書のやり取りが多いビジネスにとって、業務の効率に影響を与える可能性があります。
顧客からの信頼を得るためのハードル
バーチャルオフィスを利用していることが顧客に知られた場合、顧客が会社の実態に対して不安を感じる可能性があります。特に、対面での取引が重要なビジネスでは、オフィスの実在性が顧客の信頼を得るための重要な要素となります。
また、バーチャルオフィスの住所を使って営業活動を行う場合、顧客から「実際にオフィスを訪問したい」と求められることがあります。この場合、バーチャルオフィスの特性上、実際のオフィス訪問ができないため、信頼を損ねる可能性があるでしょう。こうしたシーンにおいて、バーチャルオフィス利用の正当性を納得させるための説明が必要になるケースもあります。
住所変更時の手続きが煩雑
事業の拡大やオフィスの移転を検討する際、バーチャルオフィスを利用している場合には、住所変更の手続きが煩雑になることがあります。特に、法人登記の住所を変更する場合、法務局での変更手続きが必要であり、そのための書類準備や費用も発生します。
また、取引先や顧客への通知、税務署や関係機関への届出など、住所変更に伴う業務は意外に多く、これに時間と手間がかかります。事業の成長に伴って実際のオフィスを設ける場合や、バーチャルオフィスプロバイダーの変更を行う場合には、この住所変更手続きが大きな負担となる可能性があります。
コストが割高になる可能性
バーチャルオフィスは、一般的に「格安で利用できる」と言われますが、プラン内容やオプションサービスの利用状況によっては、結果的にコストが割高になることがあります。例えば、郵便物の転送頻度が多い場合や、大量の郵便物を受け取る場合には、無料転送の範囲を超えた追加費用が発生することがあります。
また、バーチャルオフィスの利用に伴う電話転送サービスの通話料金、郵便物のスキャンサービスなど、さまざまなオプションを利用することで、月額費用が想定以上に増加するケースもあります。特に、最初は必要最低限のプランで利用を開始したものの、ビジネスの拡大に伴ってオプションサービスの追加が必要になると、コストの総額が割高になってしまうことがあります。
バーチャルオフィス登記のデメリットに対処する方法
バーチャルオフィスでの登記には、上記のようなデメリットが存在します。しかし、事前にデメリットを把握し、適切な対策を講じることで、リスクを最小限に抑えながらバーチャルオフィスを効果的に活用することが可能です。
- 信頼性の向上:バーチャルオフィスで登記している場合でも、実態のあるビジネスであることを示すために、ウェブサイトやSNS、オンラインミーティングなどを通じて積極的に活動し、顧客との信頼関係を築く努力が必要です。
- 適切なプロバイダーの選択:バーチャルオフィスプロバイダーによって、サービス内容やサポート体制は大きく異なります。実績があり、信頼性の高いプロバイダーを選ぶことで、郵便物管理や電話対応の問題を解消し、安心して利用できます。
- 費用の見積もり:利用開始前に、実際の利用頻度やオプションサービスの利用にかかる費用を見積もり、コストパフォーマンスを検討しましょう。プランの内容や料金体系をしっかり確認し、割高にならないように計画的に利用することが大切です。
まとめ
バーチャルオフィスを利用して会社登記を行うことには、多くのメリットがある一方で、信頼性の問題や郵便物の管理、利用制限などのデメリットも存在します。特に、顧客や取引先に対する信頼の獲得や、業種による利用制限などは、事前に十分に検討すべきポイントです。
バーチャルオフィスのデメリットを把握し、対策を講じることで、ビジネスに適した方法で効果的に利用できます。信頼性の高いプロバイダーを選び、サービス内容や料金プランをしっかり確認し、バーチャルオフィスの特性を理解した上で利用することが成功への鍵となります。
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