目次
はじめに:バーチャルオフィスってなに?
「バーチャルオフィス」と聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべますか?
名前だけ聞くと「仮想空間で働く未来のオフィス」と思う方もいるかもしれませんが、実際はもう少し現実的なビジネス支援サービスです。
バーチャルオフィスとは、実際に物理的なオフィスを借りることなく、住所や電話番号など“ビジネスに必要な情報だけ”を提供してくれるサービスのこと。特に、法人登記や郵便物の受け取り・転送など、ビジネスに不可欠なインフラをコストを抑えて提供してくれる点が人気です。
最近では、起業ブームや副業解禁、リモートワークの拡大により、「自宅住所を公開したくない」「本格的な事務所を持たずに起業したい」と考える個人事業主やスタートアップを中心に、バーチャルオフィスの利用が急増しています。
この記事では、バーチャルオフィスの仕組みを初心者向けにわかりやすく解説していきます。登記、郵便、電話といった実際の使い方を中心に、「どんな人に向いているのか」「注意点は?」という疑問にも触れながら進めていきます。
第1章:バーチャルオフィスの基本的な仕組み
バーチャルオフィスとは、「オフィスの機能だけを提供する」サービスです。利用者は、住所・電話番号・郵便対応などの“オフィス機能”を必要な分だけ選んで契約します。
● 住所貸しのしくみ
基本プランで最も多いのが「住所利用」です。これは、バーチャルオフィス事業者が保有・管理している実在のビルの住所を、利用者に対して「ビジネス住所」として貸し出すという仕組み。たとえば「東京都港区南青山○丁目△△ビル3階」というような、いかにも信頼性の高そうな住所を名刺やウェブサイトに記載できます。
● 契約から利用開始までの流れ
バーチャルオフィスの多くは、オンラインで申込みから本人確認、契約締結まで完結します。
サイト上から申込み
本人確認書類のアップロード(法人なら登記簿や印鑑証明も)
審査(即日~数営業日)
契約完了・利用開始
※総務省の「特定商取引法」「犯罪収益移転防止法」に基づいた本人確認が必須なので、完全匿名では使えません。
● 必要な機能を選べる
基本は「住所利用」のみでもOKですが、必要に応じてオプションで以下を追加することも可能です:
郵便物の転送(週1回/月1回など)
電話番号の提供(03番号など)
電話代行サービス(有人応答)
来客応対(ミーティングルームの一時利用)
「物理的なオフィスは要らないけど、ビジネスの体裁は整えたい」という人にとって、バーチャルオフィスは理想的な選択肢といえるでしょう。
第2章:法人登記はできる?バーチャルオフィスと登記の関係
バーチャルオフィスを利用する最大の目的のひとつが、「法人登記に使いたい」というニーズです。ここでは、登記との関係性や注意点についてわかりやすく解説します。
● 法人設立には「本店所在地」が必須
会社を設立する際、登記簿に「本店所在地(住所)」を記載する必要があります。これは法律で定められた必須項目です。
バーチャルオフィスの住所をこの**「本店住所」として利用できるかどうかが、登記の可否**に関わってきます。
● 登記可能なバーチャルオフィスは多い
結論から言えば、多くのバーチャルオフィスは法人登記に対応しています。ただし、以下の点に注意が必要です。
事業者によっては「登記不可」なプランがある(月額が安いライトプランなど)
利用規約で一部業種の登記を制限していることがある(古物商・風俗業など)
契約前には必ず「法人登記可能かどうか」「登記は追加オプションか基本料金内か」を確認しましょう。
● 登記後の注意点
バーチャルオフィスで登記した場合、以下のような場面で注意が必要です。
銀行口座の開設: 一部の銀行では、バーチャルオフィスでの登記を理由に口座開設を断られることがあります。対策としては、信頼性の高い事業者(例:東京都心のオフィスビルなど)を選ぶことが大切です。
税務署・役所の郵送物: 税務署や年金事務所からの郵便も、バーチャルオフィスの住所宛に届きます。転送設定をしないと受け取れないリスクがあります。
第3章:郵便物はどうやって届く?バーチャルオフィスの郵便転送サービス
バーチャルオフィスでは、実際に人が常駐していないことが多いため、郵便物の受け取りと転送の仕組みは非常に重要です。この章では、郵便対応の仕組みや便利なサービスについて詳しく解説します。
● バーチャルオフィスに届いた郵便はどうなる?
あなたが登記や名刺に記載したバーチャルオフィスの住所に郵便物が届くと、以下のような流れで処理されます。
事業者が郵便物を受け取る(受付スタッフが常駐している場合が多い)
仕分け・登録(宛名ごとに確認・記録される)
登録された内容をメール等で通知(サービスによっては写真付き)
希望に応じて転送 or 保管(転送頻度や保管期間はプランによる)
● 転送頻度の種類と選び方
転送頻度は事業者やプランによって異なります。代表的な選択肢は以下のとおりです。
転送頻度 | 特徴 |
---|---|
月1回 | 最も低コスト。郵便量が少ない人向け。 |
週1回 | バランス型。定期的に受け取りたい人向け。 |
都度転送 | 緊急性が高い場合に最適。ただし費用が割高。 |
ビジネスの性質に応じて、「安さ重視」か「速さ重視」かを判断するのがポイントです。
● スキャン通知・即時連絡などの便利機能も
近年では、以下のようなデジタル連携型のサービスも登場しています。
郵便物を開封して中身をスキャンしてくれるサービス
専用アプリやメールで即座に通知
宛名と差出人のAI識別(OCR活用)
こうしたサービスは、特に海外出張中・地方在住・リモートワーカーにとって非常に便利です。
● 宛先間違いや未登録郵便の扱いに注意
郵便物を確実に受け取るには、契約者名や会社名を正確に届け出ておくことが大切です。未登録の宛名の郵便は受け取り拒否されたり、廃棄・返送される場合もあります。
第4章:電話対応サービスの仕組みとは?
バーチャルオフィスのもうひとつの特徴的なサービスが、「電話対応」です。特に法人や個人事業主として信頼を得たい場合、固定電話番号の取得や電話代行があると安心です。
この章では、電話サービスの仕組みと活用シーンについて解説します。
● 固定電話番号は取得できる?
多くのバーチャルオフィスでは、03(東京)や06(大阪)などの市外局番付きの固定電話番号を提供しています。これは信頼性の向上や、都市部に拠点がある印象を与えるために非常に有効です。
取得方法は大きく2つに分かれます:
専用番号プラン(個別に発行)
→ 利用者専用の番号。外部に公表可能。代表番号プラン(共有)
→ バーチャルオフィスの代表番号を共有し、内線番号や企業名で対応する形式。
ビジネスの規模や予算に応じて、適切なプランを選ぶことができます。
● 電話代行の種類
電話対応サービスには以下のような形態があります。
種類 | 内容 | 向いている人 |
---|---|---|
転送電話 | 固定番号にかかってきた電話を自分の携帯に転送 | 自分で対応したい人 |
自動音声応答(IVR) | 「○○会社です」と機械音声で応答、録音も可 | 最低限の体裁を整えたい人 |
有人電話代行 | スタッフが会社名で応答、内容をメモしてメール報告 | 忙しい人・営業電話を避けたい人 |
特に有人電話代行は、まるで秘書がいるかのような印象を与えられ、対外的な信用力を高めるのに役立ちます。
● こんなシーンで活用できる!
「お客様からの問い合わせにすぐ出られない」
「営業電話に時間を取られたくない」
「電話応対をすべて任せたい」
このような課題を抱える方にとって、電話代行サービスは心強い味方です。
第5章:よくある疑問と誤解
バーチャルオフィスを検討していると、ネットや周囲の声からさまざまな「不安」や「誤解」を耳にすることがあります。この章では、よくある疑問や誤解について、わかりやすく解消していきましょう。
● 「バーチャルオフィス=仮想空間」ではない!
「バーチャル」と聞くと、最近流行りのメタバースや仮想空間のオフィスをイメージしてしまう方もいるかもしれませんが、まったくの別物です。
バーチャルオフィスは、実在するオフィスビルの住所を使ってビジネス上の“表向きの拠点”を作るサービスであり、仮想空間でアバターが働くものではありません。
● 「バーチャルオフィスだと信用されないのでは?」
たしかに一昔前までは、「バーチャルオフィス=ペーパーカンパニー」と見られがちでしたが、今は事情が変わっています。
特に、東京都心の一等地にオフィスを構える大手の事業者や、郵便対応や電話応対をしっかり備えている事業者であれば、信頼性に問題はありません。
それでも不安な場合は、以下のような工夫で対策できます:
自社HPに担当者名や顔写真を掲載する
ミーティングはオンライン or 提携会議室を活用
電話応対で安心感を与える(第4章参照)
● 「銀行口座の開設ができないって本当?」
一部の都市銀行・地方銀行では、バーチャルオフィスで登記している法人に対して慎重な態度を取ることがあります。
とはいえ、以下のような対策をとれば開設の可能性は十分あります。
事業実態を示す資料(請求書、取引契約書など)を用意する
ネット銀行を活用(GMOあおぞらネット銀行などは対応実績が豊富)
信頼性の高いバーチャルオフィスを選ぶ(運営年数・所在地・実績などをチェック)
実際、ネット銀行を中心に多くの法人がバーチャルオフィスでも問題なく口座を開設しています。
第6章:バーチャルオフィスが向いている人・向かない人
バーチャルオフィスは便利でコストパフォーマンスも高いサービスですが、すべての人・業種に向いているわけではありません。この章では、利用に適した人・適さない人の特徴を整理していきます。
● バーチャルオフィスが「向いている人」
✅ フリーランスや副業ワーカー
→ 自宅住所を公開せずに活動できる。名刺やHPに東京都心の住所を記載するだけでも信用力アップ。
✅ 起業したばかりの法人(スタートアップ)
→ 初期コストを抑えつつ、法人登記・郵便・電話対応など必要最低限の機能をカバーできる。
✅ 全国どこからでも働けるWeb系・士業
→ 実店舗を持たずにオンライン完結のビジネスをしている人にとって、物理オフィスは不要。
✅ 法人設立準備中の個人事業主
→ バーチャルオフィスで“仮の本店住所”を確保し、法人登記後にスムーズに事業開始できる。
● バーチャルオフィスが「向いていない人」
❌ 来客対応が頻繁に必要な人
→ お客様が訪問するような業種(店舗型ビジネス、スクール等)には不向き。そもそも入館できないケースも。
❌ 法人登記に制限のある業種
→ 古物商や探偵業など、行政の許認可が必要な業種は、物理的な営業所が必須となる場合がある。
❌ 家賃として経費化したい人(所得税対策)
→ 自宅兼事務所であれば家賃の一部を経費にできるが、バーチャルオフィスはあくまで“住所利用”に過ぎず、家賃控除の効果は得にくい。
バーチャルオフィスは「とにかくコストを抑えつつビジネスの土台を作りたい」という人にとっては最強の選択肢になります。
一方で「実店舗が必要」「許認可の都合がある」という業種の場合は、レンタルオフィスやシェアオフィスのほうが現実的かもしれません。
おわりに:まずは“住所の利用”から気軽に始めてみよう
ここまで、バーチャルオフィスの仕組みについて「登記」「郵便」「電話対応」を中心に解説してきました。
ご覧いただいた通り、バーチャルオフィスは物理的なスペースを持たなくても、立派な“オフィス機能”を手に入れられるサービスです。
実際に使ってみると、その手軽さとコスパの高さに驚く方も多いです。
● 月額1,000円前後でもスタート可能
バーチャルオフィスの中には、東京都内の一等地の住所を月額数百円〜1,000円台で提供している事業者もあります。
副業や個人事業の住所利用から、法人登記・本格的なビジネス対応まで、自分のニーズに合ったプランを柔軟に選べるのが魅力です。
● 使いながら必要な機能を追加できる
最初は「住所だけ」で契約し、後から以下のように機能を追加していく人も多いです。
郵便の転送 → お客様や取引先から郵便が届くようになってから
電話代行 → ビジネスが軌道に乗って、問い合わせが増えてから
会議室利用 → 対面での打ち合わせが必要になったときだけ
このように、“必要になったときにだけ追加できる”という柔軟さも、バーチャルオフィスの大きなメリットです。
● 自分に合ったサービス選びが大切
最後に一つだけ大切なことを。
「安いから」といって選ぶのではなく、住所の信頼性・サービス内容・運営実績をしっかり比較して選びましょう。
とくに登記・郵便物の管理・銀行口座開設など、後々トラブルになりやすいポイントについては、事前に口コミや公式サイトをチェックするのが賢明です。
バーチャルオフィスは、ビジネスの“土台”を整えるうえで非常に強力な選択肢です。
まずはお試し感覚で「住所利用」から始めてみてはいかがでしょうか?
東京でおすすめのバーチャルオフィス紹介
東京でおすすめのバーチャルオフィスは、「バーチャルオフィス1」です。
月額880円で法人登記、月4回の郵便転送が可能なプランは圧倒的なコスパだといえます。
東京の渋谷区と千代田区(2025年6月オープン)に拠点を持っており、新規の法人設立や個人事業主としての開業にも最適です。
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