インターネットが世界的に広まったことで、日本でも働き方改革が進んでいます。ネットビジネスの副業が成功し、独立して個人事業主になる人も増えています。独立して起業した場合、まず必要になるのがオフィスです。オフィスには様々な種類があります。一般的な賃貸オフィスやコンパクトなレンタルオフィス、シェアオフィスなどに加えてバーチャルオフィスも人気を博しています。バーチャルオフィスとは一般的なレンタルオフィスやシェアオフィスとは異なり、住所や電話番号などの情報だけをレンタルできるオフィスサービスです。
起業をした場合、会社の住所が必要になります。法人を設立した場合は法人登記が必要になりますが、法人登記をする際に所在地の届出が必要です。住所や電話番号が掲載されていないと、会社の顧客や取引先が不安になるリスクがあります。事業をスタートしたばかりの個人事業主の場合は、特に住所と電話番号の記載が重要になります。インターネットを利用して商品を販売する場合は、特定商取引法の規制を受けます。特定商取引法というのは消費者を守る法律で氏名や住所、電話番号の表記が必要になります。事業の中には許認可や届出がないと事業を進められないケースもあります。
バーチャルオフィスを利用したい場合は、事業でオフィスの住所が利用できるか事前に確認することが大切です。契約前にしっかりと確認しておくと、後で慌てずに済みます。法人を設立した場合は法人登記をしますが、住居用の賃貸物件の中には法人登記を認めない物件もあります。法人登記を断られた場合は、バーチャルオフィスが役立ちます。ネットビジネスで多いのがネットショップの運営です。実店舗の場合は高額な賃料や初期費用がかかりますが、ネットショップの場合は賃料もかからず初期費用も少なくて済みます。自宅でネットショップをスタートさせたい場合、問題となるのが登記上の住所です。バーチャルオフィスでも活動している住所であれば、法の要請を持たすことができます。
法人登記の情報は、世間一般に公開される情報です。自宅の住所や電話番号を登記すると、プライバシーを守るのが難しくなります。取引の実績がない個人事業主の場合、住所は会社のイメージを左右します。新規で取引を行なう場合は、相手側が会社の住所を確認することも多いです。立地の良い場所にオフィスの住所を持っていると、イメージアップにつながります。不動産会社で事務所を借りる場合は、申込みから審査を経て契約にいたるまでに数ヶ月かかることもあります。バーチャルオフィスの場合は、数週間で住所を借りることが可能です。
起業したばかり個人事業主は、その多くがビジネスを安定させるために少ないスタッフと資金でやり繰りをしています。バーチャルオフィスだと初期費用を大幅に削減できます。オフィスの支出を抑えることができれば、余裕を持って事業を進められます。
便利なバーチャルオフィスですが、サービス内容や料金は会社によって異なるため、選ぶ際には注意が必要です。オフィスのプラン内容は会社によって異なりますが、基本的なオフィスサービスには共通点があります。
基本サービスのひとつが住所貸しです。オフィスのアドレスのみをレンタルするサービスで、ただ単に住所を公開したくないだけなら住所貸しサービスだけでも十分です。アドレス貸しのサービスに絞れば、かなりの格安料金で利用することができます。郵便転送サービスや電話転送サービスは、住所貸しサービスに次いで需要があります。郵便転送サービスは実費で対応し、電話転送サービスの場合は転送している時間に応じて課金されるケースが多いです。電話番号はビジネス用の電話番号を借りることができるため、自宅の固定電話やスマートフォンの番号を設定しておけば転送ができます。住所は銀座など一等地の住所を利用することができるので、会社のイメージアップにも役立ちます。
東京ではレンタルオフィスを運営する会社がバーチャルオフィスのサービスを提供していることが多く、オフィス機能が充実しています。会議室が利用できるプランもあり、取引先との商談で利用することが可能です。バーチャルオフィスは料金が格安で比較的簡単に利用できるため、起業したばかりの個人事業主にとっては大きなメリットがあります。実際に業務を行なう場所を自宅にすれば、自宅の家賃の一部を経費にすることが可能です。
メリットが多いサービスですが、デメリットもあります。最近は法人での口座開設が難しくなっているので、法人口座の開設を考えている場合は大手のサービスを選択し事前に確認しておくことが大切です。不動産業や派遣業の場合、バーチャルオフィスだと許認可がおりないことがあります。ひとつの住所を複数の会社が利用しているため、取引先がパソコンで検索してバーチャルオフィスであることを知る可能性もあり得ます。
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