ビジネスにおいて見た目と言うものも非常に重要な要素であるのは、経営者であれば誰もが認識しているものであるといえます。どのような地域にもビジネスを行う上で一等地と呼ばれる場所が存在しており、そこに会社の所在地があると言う事は非常に見た目が良く信用を得る上で役に立つものであると考えられています。ある程度企業の名前が広く知れ渡り、知名度が高くなった状態であれば会社の名称が信用を担保するようになることもありますが、それ以前の段階であれば会社の名前で信用を勝ち取ることは難しいです。様々な情報が信用の裏付けになることがある中で、会社の所在地は良い場所にあるに越したことはありません。
このような問題に思い悩むことが多いのはビジネスが小規模な段階であると考えられます。特にスモールビジネスを行っている経営者や、ベンチャー企業の立ち上げ直後などはこのような問題に直面することになるでしょう。ビジネスの規模から考えてオフィスを立ち上げる必要性がない段階であるにもかかわらず、見た目に配慮しようとすると大きな維持費を必要とすることになってしまうのです。これは事業資金が乏しいベンチャー企業の場合は致命的な問題になる可能性があり、自宅や賃貸住宅の1室をオフィスとして運用するケースが多いのはそのためです。
しかしながら自宅はもちろん、明らかにマンションやアパートの部屋である住所が会社のウェブサイトや名刺に乗ると言う事は、クライアントの側からはこの会社は大丈夫だろうかと言う印象につながる可能性は多分にあります。これはかつては避けようのない問題であったと言う側面がありますが、最近では避ける手段が登場してきています。それがバーチャルオフィスと呼ばれるサービスなのです。これは実際に会社の住所をビジネスの一等地に置くことができ、必要に応じてそこでの活動することも可能であると言う魅力的なプランを提供してくれます。
例えば東京県内で活動するビジネスにおいて、千代田区に住所があると言うのは1つの魅力になります。千代田区にオフィスを構えると言うのは一般的にそれなりのコストを必要とするものであり、ある程度の勢いを感じさせるものです。実際には住所と場所を借りると言う仕組みで成り立っているのですが、レンタルオフィスと異なるのは1つの住所を複数の会社で共同利用すると言う点にあります。住所が千代田区にあっても、そこで商談をすることができないペーパーカンパニーである場合には、いざというときに役に立ちません。しかしながらセミナールームを併設するバーチャルオフィスは、必要な時に必要なだけ場所を借りるということが可能になっています。
このような仕組みは実際にその場所を利用することによって、相手先には知られてしまうことになるでしょう。しかしながらそのような仕組みを上手に活用していると言う点が評価される事はあっても、バーチャルオフィスであることによって格段に評価が下がってしまうと言う事は一般的ではありません。むしろ商談の際に自宅やマンションやアパートの1室に案内されるよりははるかに良い結果につながると考えられます。あまり使用しないオフィスを長期間にわたって借りると言う事は事業資金の無駄遣いにつながるものでもあり、スモールビジネスやベンチャー企業にとってはこのような仕組みを上手に活用する方が実利を得ることができます。
とは言えセミナールームはいつでも自由に使うことができるものではなく、しっかりとスケジュールを立てて計画的に利用しなければならない共同管理の場所であると言う性質を持っています。前述した通りバーチャルオフィスには複数の会社が同じ場所で活動することを想定しているものであるため、思いつきで行動するのにはあまり適しているものであるとは言い切れません。すべての人に推奨することができるサービスでは無いかもしれませんが、少ないコストで見た目の良い場所にオフィス機能を構えることができると言う手段の1つとして、この仕組みは高く評価されるべきものであると言えるでしょう。
このようなバーチャルオフィスは、ビジネスが実際に大きくなるに従って使用されることが少なくなる種類のものでもあります。実際にオフィスに常駐して作業をしなければならないスタッフが生まれる時期になれば、実際のオフィスを構える必要も出てくるでしょう。その際にはレンタルオフィスを借りたり、利便性の良い場所にオフィスを作ることがより良い選択肢になる事は言うまでもありません。
バーチャルオフィスにも良い面ばかりではなくデメリットも存在しています。例えば同じ住所を使っている会社が複数存在していると言う事は、住所で検索をした際におかしな情報をクライアントに伝えてしまうことにもなりますし、郵便物等を受け取る場合においても、明らかにレスポンスが悪くなると言う問題を抱えています。利便性を高めるための様々なサービスを利用すればするほど、オプション料金としてコストがかさんでいくと言う問題もありますのでしっかりと検討することが大切です。
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