起業・経営

本当に早期化するメリットがあるの?月次決算の目的とは?

2019年12月13日

(概要)
月次決算を行う目的は「経営の状況把握」「進捗管理」「年次決算の適切化」の3つです。近年は、月次決算の早期化を目指して経理業務を行っている企業は増えてきています

今回は、月次決算の3つの目的について解説をするほか、早期化されている理由についても3つの目的に合わせて見ていきましょう。

(本文)
月次決算を行い、経営状態を正確につかむ
決算とは会社の営業成績を集計して報告することです。そして、決算には年次決算と月次決算があります。

年次決算は会社法のほか、金融商品取引法、法人税法などに基づいて行われるものですが、月次決算は、このような法律に根拠のあるものではありません。つまり、月次決算を行わなくても、所轄官庁などからお叱りを受けることはありません。

それでも多くの経営者は「月次決算は重要だ」と言います。その理由は3つあります。

ひとつは「経営の状況把握」です。仮に年次決算のみを行っている企業があるとしましょう。この企業における会社の経営成績を把握する機会は、年1回にとどまっているわけです。このとき、いざふたを開けてみたら「全然もうかっていなかった」という状態だったらどうするのでしょうか。

過去に戻って新たな施策を打ちたくても、時間が経過してしまった今、何もすることができません。

月次決算を行えば、月ごとの成績を出すことができます。その際、もし自分の理想とギャップが出ているならば、それを埋める努力を早期に実施できます。

つまり、年次決算の場合、行動を改める機会は1回に過ぎませんが、月次決算では年に12回も軌道修正を行う機会が巡ってくるというわけです。

進捗管理や年次決算の負担減少も月次決算の目的
もうひとつは「進捗管理」です。

多くの企業では、年間の売上目標や利益目標を掲げていることでしょう。例えば利益目標を1200万円としている企業の場合、月100万円の利益が必要なわけです。

ある月に120万円の利益が上がったとわかれば、余裕を持ってビジネスを行うことができます。
反対にある月の利益が50万円だった場合、次月以降に差額の50万円を埋めるためのなんらかの対策を打つ必要が出てきます。

このように、予算と実績の差(これを予実管理といいます)を、月次決算を行えば厳格に管理することができます。

最後は「年次決算を適切に行う」ためです。言うまでもないことですが、年次決算は月次決算の積み重ねです。つまり、月次決算をしっかりと行えば、年次決算そのものがかなり楽になります。

経営者の中には日々の忙しさのあまり、月次決算をおろそかにしていることがありますが、あまり感心しません。年に1回決算を行う場合、膨大な資料を処理しなければならず、頭を抱えるケースが多いからです。しかし、月次決算をしっかりと行えば、年次決算における負担は格段に少なくなります。

年次決算は公告のほか、月次決算では行う必要がないさまざまな処理をしなければならず、かなり手間がかかります。月次決算をしっかりと行い、年次決算のための余力を残しておくことをおすすめします。

決算早期化のためには税理士との協業が必要不可欠
経営者の中には「月次決算の早期化」を重要テーマと掲げる人がいます。その理由は、ここまでお話ししてきたことからも、見えてくるかと思います。

つまり、月次決算の中身を早期に把握し、経営に必要な手段を迅速に打つ目的のほか、年次決算の負担減少を図るためです。

では、月次決算をどれくらの期間ですませることが理想でしょうか。企業の規模などに左右されるため一概には言えませんが、月次締めを行った後、翌月25日にはしっかりと数字を把握できる状態に持っていくのが理想です。

企業の中には「3カ月遅れでやっと月次決算の把握に必要な試算表が出てくる」という事例が後を絶ちません。これでは、月次決算早期化の目的である「迅速な経営判断」を下すことができません。

月次決算の早期化を図るためには税理士との協業が必要です。月次決算の方法について、税理士と日頃から話し合っておくのがよいでしょう。

税理士は、知識や経験が豊富で、自社の目線になってアドバイスをしてくれる税理士を選びたいものです。

税理士の選び方には、さまざまな考え方があると思いますが、決算対策がしっかりと行える税理士であることが顧問契約をする上では重要です。なぜなら、税理士に依頼する仕事のうち、決算は大きなウエイトを占めているからです。

例えば、「月次決算の方法について質問をしたものの、しどろもどろになっている」「決算の数字が素人目に見ても明らかにおかしい」などが頻出するようなら、税理士の変更を検討しましょう。
決算は節税対策のほか、コンプライアンスなどにもつながるため、企業にとって一大事です。その点をしっかりと認識し、企業と一緒になって業務を進めてくれる親身な税理士を探しましょう。

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